※この記事は2026年8月28日時点の公表情報をもとに作成しています。被害状況や気象情報は変化します。災害が迫っている場合は、この記事ではなく気象庁・自治体などの最新情報を確認し、避難情報に従ってください。
ネパールで起きた大規模な洪水。そして日本では、石川県と富山県の一部にレベル5大雨特別警報が発表されました。
遠い国の災害映像を見た直後に、日本でも道路や住宅が水につかる映像を見ると、「水害は特別な場所だけで起きるものではない」と改めて感じます。
ただ、ニュースを見て不安になっても、何から始めればよいのか分からないことがあります。防災用品を一度に全部買いそろえるのは難しくても、スマートフォンで自宅の危険度を調べることや、避難先を家族と共有することなら、今からでもできます。
この記事では、今回の災害情報を確認しながら、自分や家族の命を守るために今日からできる準備を、実際に確認する順番に沿って整理しました。
ネパールと日本で相次いだ大雨・洪水
ネパール・ボテコシ川で大規模な洪水
ネパール内務省によると、2026年8月26日午前8時40分ごろ、ラスワ郡を流れるボテコシ川で大規模な洪水が発生しました。河川沿いのラスワ、ヌワコット、ダディン、ゴルカなどで大きな被害が出ており、捜索・救助・緊急支援が続いています。
ネパールの国営放送Radio Nepalは、8月28日午前7時時点で死者が469人に達したと報じました。報道時点では連絡が取れていない日本人もいるとされ、被害の全容はまだ分かっていません。
死者・行方不明者の数は情報更新のたびに変わっています。数字だけを追うのではなく、今も救助を待つ人、家族を捜している人、住まいを失った人がいることを忘れずに受け止めたいと思います。

石川・富山ではレベル5大雨特別警報
日本では8月27日午前6時20分、石川県の羽咋市、志賀町、宝達志水町、中能登町と、富山県氷見市にレベル5大雨特別警報が発表されました。
気象庁の観測では、27日午後までの24時間降水量が富山県氷見市で358.0ミリ、石川県羽咋市で340.5ミリとなり、いずれも観測史上1位を更新しました。河川の氾濫、住宅の浸水、土砂崩れ、集落の孤立などが発生しています。
ニュースで伝えられた「3回目」という表現は、全国で3回目の大雨警報という意味ではありません。8月27日に石川県で線状降水帯が繰り返し発生し、その日3回目の発生が確認されたという内容です。
レベル5大雨特別警報は27日午後にレベル3大雨警報へ切り替えられました。しかし、警報のレベルが下がったから安全になったとは限りません。大量の雨を含んだ地盤や増水した河川は、雨が弱まった後も危険な状態が続きます。
8月28日には北海道の一部でも線状降水帯が発生し、北陸では29日に再び雨が強まる可能性が報じられています。今いる地域で雨が降っていなくても、最新情報を確認しておくことが大切です。
まず覚えておきたいこと|レベル5を待ってはいけない
今回、最も強く意識したのは、レベル5は避難を始めるタイミングではないということです。
気象庁は、特別警報が発表されてから避難するのでは手遅れになる可能性があるため、特別警報を待たず、自治体から発令される避難情報に従うよう呼びかけています。
| 警戒レベル | 取るべき行動 |
|---|---|
| レベル5 | すでに安全な避難が難しい可能性があります。命の危険が迫っているため、直ちに安全を確保します。 |
| レベル4 | 危険な場所にいる人は全員避難します。ここまでに避難を終えることが基本です。 |
| レベル3 | 高齢者、障害のある人、乳幼児がいる家庭、避難に時間がかかる人は避難を始めます。それ以外の人も準備を整えます。 |
| レベル2 | ハザードマップと避難経路を確認し、避難方法を決めます。 |
| レベル1 | 最新情報を確認し、災害への心構えを高めます。 |
指定避難所へ移動することが、かえって危険な場合もあります。道路がすでに冠水している、夜間で周囲が見えない、土砂が流れ始めているといった状況では、無理に外へ出ず、近くの頑丈な建物や自宅の浸水しにくい高い階など、今いる場所より少しでも安全な場所へ移動してください。

今夜からできる水害への備え7項目
1.自宅の危険度をハザードマップで確認する
最初に確認したいのは、防災グッズの数ではなく自宅がどのような場所にあるかです。
国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、住所を入力して洪水、内水、土砂災害、高潮などのリスクを確認できます。
- 想定される浸水の深さ
- 浸水が続く可能性のある時間
- 土砂災害警戒区域に入っているか
- 近くの指定避難所
- 避難所までの安全な経路
避難所までの最短ルートに、川、用水路、地下道、アンダーパス、低い道路がないかも見ておきましょう。最短距離より、危険な場所を避けられる道を選ぶことが重要です。

2.キキクルをスマートフォンですぐ開けるようにする
気象庁の「キキクル」では、土砂災害、浸水、洪水の危険度を地図上で確認できます。
黒は災害が切迫している、またはすでに発生している可能性が高い状況です。紫も重大な災害がいつ起きてもおかしくない状態です。自宅周辺が紫になるまで待つのではなく、自治体の避難情報と合わせて早めに判断してください。
毎回検索しなくてよいよう、スマートフォンのホーム画面やブックマークへ登録しておくと安心です。
3.避難先を一つだけに決めない
避難とは、必ずしも指定避難所へ行くことだけではありません。安全な場所にある親戚や知人の家、ホテルなども選択肢になります。
私は防災情報を整理するとき、「第一候補へ行けなかったらどうするか」まで考えることが大切だと感じました。
- 第一候補:自治体の指定避難所
- 第二候補:安全な地域にある親戚・知人宅
- 第三候補:移動が危険になった場合の緊急安全確保場所
この3つを家族で共有し、避難先が変わったときの連絡方法も決めておきます。

4.非常持ち出し袋は「自分に必要なもの」から入れる
非常持ち出し袋は、重すぎると避難の妨げになります。一般的な防災用品に加えて、薬や眼鏡など、自分や家族にとって代わりがないものを優先しましょう。
- 飲料水とすぐ食べられる食品
- 常備薬、お薬手帳の情報、救急用品
- スマートフォン、充電ケーブル、モバイルバッテリー
- 懐中電灯、予備電池、携帯ラジオ
- 現金、身分証明書・保険証などの控え
- レインコート、タオル、着替え、靴下
- マスク、ウェットティッシュ、携帯トイレ
- 軍手、笛、筆記用具
- 乳幼児用品、生理用品、介護用品
- ペットのフード、薬、リード、排せつ用品
玄関近くなど、避難するときにすぐ持ち出せる場所へ置きます。薬、食品、電池、モバイルバッテリーは定期的に状態を確認してください。

5.スマートフォンと電源を確保する
停電すると、情報収集と家族への連絡が難しくなります。大雨が予想される日は、スマートフォンとモバイルバッテリーを早めに満充電にしておきましょう。
- 省電力モードを設定する
- 自治体の防災メールや防災アプリを登録する
- 気象庁と自治体のページをブックマークする
- 家族の電話番号を紙にも書いておく
- 充電ケーブルを防水袋へ入れる
SNSは現地の様子を知る手がかりになりますが、古い映像や別の地域の情報が混ざることもあります。避難の判断は、気象庁、自治体、消防、警察などの公的情報を優先してください。
6.家の中の物を高い場所へ移す
浸水のおそれがある地域では、雨が強くなる前に大切な物を上の階や高い棚へ移します。
- 通帳、印鑑、重要書類
- パソコン、外付けドライブ、充電機器
- 薬、衛生用品、乳幼児用品
- 床に置いている延長コードや電化製品
- 濡れると困る写真や思い出の品
ベランダや庭の飛ばされやすい物、排水口、雨どいの確認は、必ず雨や風が強くなる前に済ませます。危険な状態になってから屋外へ出てはいけません。
7.避難を始める時刻を決める
「危なくなったら避難する」では、判断が遅れることがあります。
例えば、「自治体から避難指示が出たら」「近くの川が一定の水位になったら」「キキクルが紫になる前」「高齢の家族がいるのでレベル3で」と、行動を始める条件を具体的に決めておきます。
避難は、雨が強くなる前、できれば明るいうちに行うのが基本です。
大雨のときに絶対に避けたい行動
- 川や用水路を見に行かない:水位や流れは急激に変化します。
- 冠水した道路やアンダーパスへ入らない:水深や道路の状態を目で判断するのは困難です。
- 浸水区域へ車で移動しない:車が停止すると、車内から出られなくなる危険があります。
- レベル5まで待たない:レベル5では安全な場所まで移動できない可能性があります。
- 暗くなってから無理に遠くへ移動しない:外への避難が危険なら、より高く頑丈な場所で安全を確保します。
- 警報が解除された直後に危険な場所へ近づかない:地盤の緩みや河川の増水は続くことがあります。
一人暮らし・高齢者・子ども・ペットがいる家庭の追加準備
一人暮らし
離れた地域に住む家族や友人を一人決め、避難開始と避難先を連絡します。自分で助けを求めにくい状況に備え、近所で声をかけ合える相手も確認しておきましょう。
高齢者や介助が必要な人がいる家庭
一般の人より早い段階で移動を始める必要があります。薬、補聴器、眼鏡、介護用品、移動手段を確認し、家族だけで避難が難しい場合は早めに自治体へ相談します。
乳幼児がいる家庭
ミルク、離乳食、おむつ、着替え、母子手帳の情報などをひとまとめにします。抱っこや荷物で両手がふさがらないよう、必要最小限に分けて準備します。
ペットがいる家庭
避難所ごとにペットの受け入れ方法が異なります。ケージやキャリーバッグ、リード、フード、薬、排せつ用品を用意し、自治体の同行避難ルールを事前に確認してください。
不安を感じた今が、準備を始めるタイミング
大雨のニュースを見ていると、「自分の地域は大丈夫だろうか」と不安になります。その一方で、雨が降っていないうちは、つい準備を後回しにしてしまいます。
けれど、避難先を一つ確認する、スマートフォンを充電する、薬を袋へ入れる。小さな行動でも、何もしない状態とは大きく違います。
すべてを完璧に準備する必要はありません。まずはハザードマップを開き、自宅の危険度と避難場所を確認するところから始めてみてください。
ネパールと日本で被害に遭われた方々の安全と、一日も早い救助・復旧を心から願います。そして、今は被害のない地域にいる私たちも、今回の災害を遠い出来事で終わらせず、自分と大切な人を守る準備につなげていきたいと思います。
最新情報を確認できる公式サイト
主な参照情報:ネパール内務省、Radio Nepal、気象庁・石川/富山のレベル5大雨特別警報、気象庁/国土交通省・大雨に関する留意事項、国土交通省、内閣府(防災担当)など。被害人数や警報の発表状況は更新されるため、記事内には確認時刻を記載しています。



コメント